ウンベラーダとレスター・ヤング

 

 ウンベラーダがうちの事務所にはある。事務所を移転した際にジーニョ夫婦にもらったデカいのが1鉢と小さいのが6鉢ほど。ついでに自宅にも小さいのが1鉢。小さいの7鉢は実は大きいのから取り木したものだ。デカいのがあまりにワサワサと茂るのでちょいちょい枝を切る。切った枝が捨てられず、花瓶に挿して置いておくとやがて根が生える。それを鉢に植えるうち今の数になった。ついこの間も取り木したし、今も1本が花瓶に挿してある。

 

 観葉植物に特に詳しいわけでも、取り木について得意なわけでもないし、時にサボテンなんかは枯らしてしまうこともあるのに、この植物だけはどうやら簡単に増えてしまうようだ。悪い気はしないが、さすがにここまで増えると、これはもう切りがないと思えて来た。一体どこまで増えるのか。

 

 ところで昨日から今日にかけては久しぶりにサンプルルアーを削る。ちょっと前から削るつもりでいたのに、いろいろと他が忙しかったことと、よいしょと腰を上げるのがどうも大儀で今になってしまった。台風後の今日は、琵琶湖の様子を見に行こうと突然思いたったものの、相手役が誰もいなかった、ということもある。そりゃそうだ、そんなに都合のいい人がいるわけはない。おまけに、それなら髪の毛を切りに行こうと、いつものオサムちゃんのところに電話を入れたら予約でいっぱいだった。こんな日はルアーを削るのである。

 

 サンプルを削っていて思う。ルアーに関して俺のアイデアは果たして尽きるのか?どうやら今のところその泉は枯れてはいないようだけれど、ウンベラーダが取り木されていくみたいに、次から次へと無限にアイデアが生まれるというわけでもない。

 

 

 ところでこれまた久しぶりに本を読んでいる。バット・ビューティフルというジャズに関する物語。なんという素敵なタイトルだろう。ジェフ・ダイヤー著、村上春樹訳。この人がジャズ関連の本を訳したとあっては読まないわけにはいかないのである。

 

 ここにレスター・ヤングのあまりに空しく切ない物語がある。そりゃあもう恐ろしく空しく切ない。このくらい空しく切なくないとジャズが吹けないと言われたら、俺なら遠慮するかもしれない。と言うわけで今日は無限に増え続けるウンベラーダを眺めつつレスター・ヤングを聴くのだ。

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10th Anniversary Of The Fire

 

 先日の金曜日には懲りずに琵琶湖へ。お相手は3年ほど前に一緒にメキシコに行ったコバーン、俺に負けず劣らずユニークな男である。

 

 前々日にはカミオカが5本も釣ったわけだから、釣らせてあげることは出来るだろうと踏んでいたら、これがやっぱり甘かった。お昼からは晴れてしまったこともあり、目論見は外れて二人ともボウズに終わる。ただ、この日の午前中に彼はバスボートに乗せてもらって50upを釣っており、「ほとんど満足です」とのことだったから、ま、よしとする他はない。この状況で50upを釣ったのなら十分。しかも100gもあるという、自作のあのデッカいルアーで釣ったのだから。あのくらいデッカいルアーだから釣れたということもあるだろうけれど。

 

 ところで「元木さんは僕の希望の星なんです」と40歳のコバーン。53歳の俺が誰かに希望を与えることが出来るとすれば、それはそれで幸せかもしれない。どういうことなのか詳しくは聞かなかったけれど、聞かないでおいて良かったような気がする。

 

 さてと、例の火事後十年記念「Sonic Cigar & Sonic Ribot」のフライヤーが出来たので、同時に予約開始です。本日よりおそらくは9/26まで(ディーラーにより異なります)各ディーラーにて。

 

 それにしても津波ルアーズではこういうソリッドなカラーリングは珍しい。たまにはこういうのもシンプルで潔くて良いですね。

 

 

 

10th Anniversary Of The Fire

 

Sonic Cigar

ソニック・シガー

 

Size 105mm  / 1 oz class

 

Material バスウッド製

ウレタン・フィニッシュ

 

Color

Fire Red [FR]

Sumikuro [SK]

 

Price:¥7,200 + Tax

 

Sonic Ribot

ソニック・リボー

 

Size 105mm / 3/4oz class

 

Material バスウッド製

ウレタン・フィニッシュ

 

Color

Fire Red [FR]

Sumikuro [SK]

 

Price:¥7,000 + Tax

 

 

 あの火事からもう十年が経ちました。いろんなものが焼けてなくなったけれど、津波ルアーズはそれからしぶとく復活を遂げ、そして未だ健在です。その後の十年をめげずにやってこれたのは、周囲の皆さん、そしてファンの支えあってこそ。火事は不運ではあったけれど、復活できたことはとても幸運だったと思っています。

 

 そんな十年の感謝を込めて、Sonic VitaのFire Redに続き、Fire RedとそれからSumikuro(炭黒)のSonic CigarSonic Ribotを急遽お届けすることにします。サインと一緒に不死鳥よろしく鳥の絵をハンドペイントで描きました。火事はともかく、しぶとい強運があなたにも訪れるよう。

 

 ちなみにFire Redは火事から1年目にTobaccoに、2年目にMighty Eddy Miniに塗って以来、前回のSonic Vitaと今回のSonic CigarSonic Ribotに再登場ということになります。

 

 Sonic Cigarは津波ルアーズの看板的ペンシルポッパー。アピールをともなったスムースなスケートがこのプラグの最大の魅力。ちょっとした竿先の加減次第で、こちらの意図にステディに応えてくれる。気持ち良くスケートする速さでテンポ良く探るのがお薦め。メキシコで10lbオーバー×3本の実績あり。

 

 Sonic Ribotはクイックなショートスケートで誘える、すこぶる使い心地の良いペンシルポッパー。ターンと言うよりはやはりほんの少しデリケートなスケートを意識して欲しい。スピードは小型のベイトフィッシュがピチョンっと跳ねたくらいの、ひとかたまりのしぶきが上がる程度、そういう頃合いがちょうど良いでしょう。

 

 Sonic CigarよりはSonic Ribotがどちらかと言うと少しポッパー寄り。どちらもよく釣れるプラグだから、持っていると持っていないでは大違い。あなたの必殺パターンにぜひ加えてやって下さい。

 

 

 聴いているのはハービー・ハンコックのリーダーアルバム。今宵のまとわりつくような湿気を、類い稀なる緊張感で刹那的に払拭する。難しいことはわからないし、あくまでそれは個人的感覚的なものではあるけれど、それにしてもそういう音楽っていくらもあるもんじゃなし。出会えて良かったと思える音楽。

 

 

 思い出した。先月末の発売だから、やがて一月が経ってしまうけれど、書こう書こうと思って今になりました。只今発売中のBasser「パーツの機能と進化論」と題されたコーナーに原稿を提供しております。ここには、今人気の若手痴虫くんを挟んで、五十過ぎの同級生コンビ、クワイエットファンク久保田氏と俺の三人が執筆。「ネオ・ビーツ・カップ」について2ページ分びっしりなので、少しは読み応えあるし、トップウォーター特集なので是非どうぞ。

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ヒットルアー?!

 

 昨日はカミオカの独断場。やつ5本、俺は0本、そんなこともある。それにしても、水質はそれほど改善してはいないけれど、おそらくは水温が低下したせいで、悪かった琵琶湖南湖の状況も少しは上向きか。

 

 ところでどうやらそのアオコのことがニュースにもなっていたよう。アオコが大量に発生したことで在来種の何だかが減ったんだとか。そう、環境が悪化すると魚は減る。外来種のせいだけではなく、環境に大きな要因のあることがこういうことでもよくわかる。ギルやバスはそういう環境に適合したということ。今年はこの異常なアオコの発生を始め、蓮が生えないだとか、オオバナミズキンバイが異様に繁茂しているだとか、雷魚が大量に浮いていただとか・・・キナ臭い出来事が多いですね、琵琶湖には。

 

 

 さて、カミオカのヒットルアーの一つはMongolian Clacker。これに最初に出たやつは、俺も拝んだけれど、確かにデカかった。全身を見せて大迫力で襲いかかったものの、なんとフックアップには至らず、そのすぐ後にまたしても出たのが冒頭のナイスサイズでした。

 

 ヒットルアーのもう一つは謎のWスウィッシャー。これで5本中4本を釣る。このプラグ、ただ引き時にはかつて聞いたことのないユニークなノイズを発生する。発売が遅れている新しいMighty Arrowzinho DPと同じスニップ・トーン・システムながら、こちらはペラの形状も素材も違っていて、音質がまるで異なるのです。

 

 さらにはジャークがイージー&ストロング。少しロッドを煽るだけで、楽にジャークができ、その上サウンドもスプラッシュも申し分ない。特殊なプロペラの効用ももちろんあるが、扁平な三次元ボディがその直進性に貢献していて、それによるところがかなり大きい。ボディは実はNivaの流用だが、流用だと侮るなかれ。これには俺自身も驚いたのだから。

 

 昨日はジャークとただ引きの両方でバイトがあった。一瞬たじろぐくらいのバイトも二度ほど

 

 これのリリースはまだ先なので、今日は多くを語るまいと思っていたのに、つい調子に乗り過ぎた。さらなる詳細はまた今度。ちなみに只今、製品化に向けてプロペラの製作方法を模索している最中。久しぶりに思い切って金型を起こそうかとも思ったのだけれど、見積もりを頂いて、再度熟考しなければならないと痛感した今日この頃。金型ってね、ちゃんとやろうとすると結構高くつくんです。

 

 

 その前に、只今製作進行中なのはさき頃もお伝えしたように画像のプラグである。これだけでプラグの種類がわかるあなたはかなりの通だ。答えは津波ルアーズを代表するペンシルポッパー、Sonic CigarSonic Ribot。これらをFire RedとSumikuroに塗り、ハンドペイントでサインと、そして不死鳥を描いたのは、あの火事から十年経つのを記念してのこと。このイベントは思いつきには違いないけれど、思いつきって大事だとも思う。

 

 近日中にはフライヤーを作成して予約開始となる予定です。

 

 よくよく考えれば、先日リリースしたのがSonic Vitaで、今回がSonic CigarSonic Ribot、そしてさらにその次に待ち構えるのがブランニュープラグのSonic Horn Mini Orch.であるから、Sonic祭りのポッパー攻めはどうにも商売下手であるという気がしないではないが、それもまた良しと開き直る他はない。津波ルアーズ・ファンなら、笑って受け入れて頂けるはずだと思っているのだけれど。

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Sukiyaki60HFの効用

 

 先日、リリースとほぼ同時にSukiyaki60HFをご購入いただいた大坪君が好調だ。そもそも彼は、次にメキシコへ行く時のためにこのロッドを買ったのだそうだが、普段のフィールドで普段のカヤックで使ったところ「しっかし60HF、捕らえたバイト、逃がしませんね〜。力強さと柔軟性のバランスが最高でございます。」とのこと。

 

 そうなんです。60HFはメキシコや琵琶湖だけではなくて、日本のどこのフィールドでももちろん使えます。それどころか、クセのない上にそこそこのパワーがあるロッドなので、とても使いやすい。

 

 

 ことにグラスロッドや少々柔らかめのロッドを使っている人で、バイトがあっても乗らない、乗ってもバレる、そんなこんなでお悩みのあなたにはもってこいだと思います。そんな人なら、これくらい張りがあって、長さもあり、パワーのあるロッドがフッキング率を高める可能性は高い。乗らない、バレるには人それぞれいろいろと理由はあるだろうけれど、ロッドに要因があることもままあって、そういう人には目から鱗の効果があるはず。試してみる価値あり。

 

 幸いSukiyaki60HFにはまだメーカー在庫があります。今秋には前回好評だったSukiyaki56LCという、56Lよりも少々張りのあるロッドも再リリース予定。そして年末には遂にフルカーボンのロッドもリリース予定です。

 

 

 今日はフットサル前にブログを更新する間、デヴィッド・バーンが鳴る。90年代にリリースされたこのアルバムは、俺が彼の音楽に傾倒するきっかけになった。それほど俺には当時これがキャッチーだったのだ。でも同時に、爆発的に売れることもないだろうということが、鈍い俺にだって察知できた。考えてみれば、これは、なんだか俺にとっての分水嶺的作品だったような気がする。

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Fishbone 2016 EVA いよいよ出荷!

 

 いよいよFishbone 2016 EVAの出荷は明日です。予定より随分と時間を食ってしまってご迷惑をおかけしました。一つのロッドハンドルなのだけれど、ブライトリバーのリールシート本体はもちろん、その上に色を塗ったり、それぞれのパーツを作ってもらったり、レーザーで名入れをしたり、うちが組み立てをしたり・・・様々な人の手を経てカスタマイズされたものなので、時間もお金もかかってしまうのです。楽しみに待っていてくれた皆さん、本当にお待たせしました。

 

 尚、ポリッシュト・シルバーは在庫切れとなってますが、再度入荷予定なので、買いそびれたあなたは少々お待ちを。ブロンドは在庫ありますが、予定数まであと少し。今後はご注文いただいてから随時組み立てますので、出荷まで一週間前後かかります。

 

 

 さて、閑話休題。このFishbone 2016 EVAにはシングルとセミダブルがある。前回のFishboneのリリースまでは、シングルの注文がセミダブルよりも3:2くらいの割合で多かった。今回ももちろんそうだろうと踏んでいたのだけれど、それがどうだろう、この割合がここにきて逆転したのです。なかなか面白い現象ではある。

 

 サーフェイスプラッガーにはシングル愛好家が多く、うちのグリップを買うユーザーもその例に漏れなかったのがこれまで。元木自身もかつてはシングル派だったのだけれど、今となってはセミダブルを愛用している。どうしてか?

 

 一つは大きな魚を相手にするには、少々手元にバランスがあり、グリップエンドを手首以下に当てられるとやり取りを優位に出来ること。さらに、コンポジットやカーボン素材の張りのあるロッドを操るには、シングルでは少々心許ないこと。加えて、一日中シングルハンドでキャストするのは手首に負担がかかること。一日ならまだいいが、遠征先で数日やるとなるとこれはなかなかきつい。

 

 

 

 セミダブルだと、右利きの人の場合、左手をグリップエンドに添えることが出来、これによってかなり手首、あるいは腕への負担が軽減される。両手でキャストするとアキュラシーだってUPする。もちろん、シングルハンドでキャストすることだって出来る。少々の重さが増すことは、シングルハンドで一日中やれる人になら、全くもって問題はないはず。

 

 こうしてセミダブルを使う人が増えつつあるのは、そういうことが浸透しつつあるのかなあと思っている。ただし、シングルの軽快さが捨てきれないのはよくわかるので、ラインナップとして残してある。それに実を言うと、気づいている人もいるだろうが、うちのシングルはシングルとしては若干長く、やろうと思えばこれでも利き手と逆の手を添えることが出来るのです。

 

 

 梱包作業のBGMはモンク。既成概念を撃破する孤高の偏屈にして天才のジャズが、BGMにふさわしいかというと自信はないが、いつもそれは聴くものを励ますことだけは確か、だと思う。

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